令和2年(2020年)に鎮座100周年を迎えた明治神宮。70haにもなる広い社地には鬱蒼とした木々が茂ります。都心の緑地としては皇居に次ぐ広さを誇っています。
とても都心とは思えないほどの豊かな森の中には巨樹も点在します。そんな巨樹を求めて散策するのがおすすめです。
ここでは環境省のHP「巨樹・巨木林データベース」を参考にして歩いてみました。
歩くコースは、知る人ぞ知る「脇参道」とも呼ばれる脇道を通るコース。正式な参道である南参道、北参道、西参道とは全く趣の違う静かな道です。
所要時間は参拝の時間も含めて、1時間30分から2時間。大都会東京の中心部でこんなに森の中を歩けるところはありませんよ!
森の中の脇参道を歩いて巨樹めぐり
明治神宮には3つの参道があります。
南参道、北参道、西参道です。
参拝者はこの3つの参道のいずれかを通って参拝します。
まずは参拝です。
初めて参拝するという方は、3つの参道の紹介したこちらの記事を参考にしてみてください。
【明治神宮】3つの参拝ルートと見どころ|南参道・北参道・西参道を紹介
まずは境内にあるのがパワースポットとしても有名な「夫婦楠」です。拝殿前から見ると1本の木に見えますが左手に回り込むと2本の大きなクスノキが一体となった姿に気づきます。幹回りは3m66cmと3m17cm。この木の間に賽銭箱もあり、夫婦楠越しに参拝できるようになっています。
参拝の後は、御神札や御守りを求めたり、おみくじ「大御心」を引いたりした後は、御本殿に向かって左側の西神門から出て西参道を歩き、③の「巨樹銀座のコナラ」に向かいます。
静かな西参道をしばらく歩くと芝生の広場が見えます。「巨樹銀座のコナラ」は、この広場の左側、森から少し離れたところにあります。
芝生の広場に立ち入ることはできないので、少し離れたところから見ることになりますが、立派なコナラです。幹回りは4m74cm、樹高15m、関東地方のコナラ番付で3位だそうです。
次は④の「タコ足」に向かいましょう。コナラからさらに進み、最初の分かれ道を右に折れると北小路という道になります。歩いていくと、ひときわこんもりとした木が見えます。地面すれすれまで枝が張り、葉が茂っています。
なぜ「タコ足」なのか、近づけば分かります。まるでタコを逆さまにしたように、巨大な枝がタコの足のように何本も広がっています。幹回りは7m3cm、樹高25m。都内で2番目に大きな幹回りのクスノキです。
次は⑤の「北門脇のイチョウ」に向かいます。そのまま北小路を奥に進みます。左手に宝物殿を見ながら、林道のような道になります。この辺を歩いている人はほとんどいません。気持ちよい林道歩きの感覚です。
しばらく歩くと北門に出ます。この北門の脇にあるのが「北門脇のイチョウ」です。そのまんまの名前です。幹回り3m37cm、樹高24mの立派なイチョウです。
ここで北鳥居をくぐり北参道を歩きます。道幅8間(約14.4m)。南参道と同じ道幅ですが、南参道と比べると人がとても少ないのでかなり広く感じます。南参道より周囲の森は厚みがあります。
300mくらい歩くと右手に東門に続く参道があります。こちらに向かうと東門に至るまでに変わった樹勢のクスノキがあります。根元が大きくふくらんだものや、らせん状にねじれたものも。一見の価値ありです。
東神門をくぐり、再び本殿前を通り西神門をくぐって西参道に向かいます。最初の道が交差する地点を左に向かいます。こちらがJR原宿駅に向かう脇参道です。林道とも言うそうです。とても都会の真ん中とは思えない道です。人もほとんど歩いていません。まるで高原の森の中を歩いているような感覚です。
しばらく歩くと右手に樹齢300年以上と言われる大きなムクノキがあります。幹回りは5m75cm、樹高25m。2本の木が合体して成長したけど、1本はすでに枯れて、幹の片面は大きな空洞になっています。
ムクノキを過ぎるとまもなく南参道の入り口、JR原宿駅前の広場に出ます。お疲れさまでした。
まとめ
明治神宮は明治天皇崩御ののち、国民の強い要望により造営された神社です。
一面の野原だった代々木一帯に造営が決定されると、全国から10万本を超す木々が献納され、さらには各県の青年団を中心とした勤労奉仕によって植えられました。
そして、森の出現から100年を経た今では、緑は鬱蒼と茂り、巨樹も点在する立派な社叢林となりました。まさに都会の中のオアシスといった雰囲気です。
最後に大切な注意点があります。ご神域です。神社の境内にあるものは葉っぱ1枚、石ころ1つでも持ち帰ってはいけません。また、森の中には足を踏み入れたりしないようにしましょう。
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