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【伊勢神宮|倭姫宮】大正生まれの一番新しい皇大神宮(内宮)の別宮

皇大神宮(内宮)別宮の倭姫宮

倭姫宮です。皇大神宮(内宮)の別宮です。

「やまとひめのみや」という、たおやかな、大和言葉の美しい響きだけで心惹かれます。

伊勢神宮を構成する125の本宮、別宮、摂社、末社、所管社のうち125番目、一番新しいお宮です。

創建は大正12年(1923年)。所管社に至るまでの多くのお宮が創建は奈良時代以前という歴史を有する伊勢神宮の中でとりわけ若々しいご存在です。

しかし、鳥居をくぐって参道を歩けばすぐに分かります。

ほかの別宮に負けるとも劣らないご神気、風格です。

表参道からの参拝がおすすめ

倭姫宮の一の鳥居

一の鳥居。御幸道路に面している

ご祭神は倭姫命の一柱です。

まずは神社内をご覧ください。

表参道と徴古館側からの参道の2つの参道があります。

車利用の場合は、駐車場がある徴古館側からの参道が近く、ご本殿までのの距離が短くて便利なのですが、表参道側からの参拝ルートをおすすめです。

倭姫宮の表参道

表参道はとても静かな森の中を歩いている感じがします

伊勢神宮で一番お若いとはいえ、大変に趣きある立派な参道なんです。
長さも500m以上あるでしょうか。かなり長いです。

参道からも倭姫命のご神気をたっぷりと感じられますよ!

今回、私が訪れたときは参拝者がほとんどいなかったこともありますが、参道は静寂そのもの、神の森に包まれて独り立たせていただいているありがたさを感じました。

ご神木も神々しさに満ちています。

倭姫宮の石段

表参道の突き当たり右にある石段

参道突き当り、右手にある50段ほどの石段があります。この石段の横にそびえ立つご神木がとても不思議な形をしています。

樹齢700年と言われる椎の木?です。こんな椎の木、見たことがありません!

石段横にあるご神木

石段を上り切ると、右手に宿衛舎、左手に手水舎、祓所が見え、参道のさらに奥、ひと際明るくなった空間に社殿があります。

空間の右半分に社殿があります。左半分は古殿地です。

前回、参拝したときは遷宮の前だったので、現在の古殿地に社殿が建っていて、現在の社殿が建っているところが古殿地でした。

遷宮から何年も経過した社殿も趣きがあってステキなのですが、まだまだ白木の輝きを失っていない社殿はまばゆいばかりです。

古から連綿とつながる神社の再生が実感できます。

神宮の鎮座地を探し基礎を確立された倭姫

倭姫宮の手水舎

手水舎

倭姫はどんな神様なのか。

倭姫は第11代垂仁天皇の皇女です。天照大神がご鎮座なさる場所を探し続け、現在の伊勢の地に皇大神宮(内宮)を創建なさったお方なのです。

初代天皇の神武天皇以来、天照大神は皇居内にお祭りする慣わしでしたが、第10代崇神天皇の御代に笠縫邑(かさぬいむら)に神籬(ひもろぎ)を立ててお祭りをすることになりました。

その後、垂仁天皇の御代になり、永遠に安定して天照大神をお祭りできる場所を求めて、倭姫が巡幸なさることになります。

大和の国を出発し、伊賀、美濃、近江などの諸国を回ること14カ所。伊勢の地を訪れたときに天照大神のご神慮によって、皇大神宮(内宮)を創設されました。

「やまとひめ」というやわらかな響きからは想像できないパワフルな偉業でした。

さらに、神嘗祭をはじめとする年中のさまざまなお祭りや斎戒(神様に仕えたり参拝するときに身を清めること)や祓えの方法を定めるなど、神宮の基礎を確立したお方なのです。

伊勢の住民からの要望が始まりの倭姫宮

倭姫宮の御本殿をのぞむ

石段を上り切ったところから見るご本殿方向

伊勢の地に神宮が鎮座することになった最大の功労者である倭姫ですが、伊勢には明治に至るまで倭姫をお祭りするお宮がありませんでした。

しかし、古くから郷土を拓いた倭姫命は庶民にも信仰され続け、神宮司庁と伊勢山田市(現伊勢市)が倭姫命をお祭りするお宮の創立を国に請願。大正12年に皇大神宮(内宮)の別宮としての創立が許可されたというものです

東京での伊勢神宮遥拝所創建を!という東京市民の願いからできた東京大神宮、明治天皇の崩御後、東京に神宮を!という東京市民の声によってできた明治神宮。いずれも民間からの声が創建を実現させた神社ですが、倭姫宮もほぼ似たような経緯です。

現在では考えられない展開ですね。現在、同じような展開で神社が創建されるとしたらどんな神社ができるのでしょうね。

倭姫のお教え

倭姫宮の祓所

祓所(はらいしょ・はらえど)

五部の神書といわれる伊勢神道の根本経典となる5つの経典があります。

その中の1つ、『倭姫命世記』には倭姫が宣り下ろしたお教えが数多く残っています。

人は天下の神物なり。心神を傷ましむことなかれ。
神は垂るるに祈祷をもって先となし、冥は加うるに正直をもって本となせり。
神を祭るの礼は、清浄をもって先となし、真信をもって宗となす。

黒心なくして、丹心をもちて、清く潔く斎り慎しみ、左の物を右に移さず、右の物を左に移さずして、左を左とし右を右とし、左に帰り右に回る事も、万事違う事なくして、大神に仕え奉る。
元を元とし、本を本とする故なり。

倭姫御杖代奉賛会 http://www.yamatohime.jp/html/page_b.html

何度か読んでみると、何となくぼんやりとわかったような気もしてきて、ありがたい感じもしてきますが、では、子どもたちに分かるように説明してみろと言われると、何ともうまく説明できないと思われます。笑

私自身たまに思い出したときに読むように心がけてみます!

倭姫文化の森

神宮徴古館

神宮徴古館。神宮のお祭りに関する資料や御装束神宝を展示する

倭姫宮は、内宮と外宮を結ぶ御幸(みゆき)道路の中ほどの倉田山に鎮座します。

倭姫宮の周辺、すぐ近くには、神宮のお祭りに関する資料や御装束神宝を展示する神宮徴古館、神宮祭祀の自給自足の伝統を守る神饌や農林水産関係の資料を展示する農業館、遷宮を奉賛して奉納された美術・工芸作品を展示する美術館などがあります。

一帯は「倭姫文化の森」と呼ばれていて、とても広々とした文化的な空間となっています。

時間があれば、ゆっくりと見たいところですが、日帰り、もしくは1泊2日で外宮と内宮、そのほかの別宮も参拝しようという方にはすべてを見るのはちょっと厳しいかもしれません。

私自身、何度か伊勢神宮の参拝をしていますが、まだ農業館しか行ったことがありません…。

倭姫宮まとめ

参道途中にある大きな一枚岩の橋

倭姫は、長年にわたり不撓不屈の精神で天照大神のご鎮座地を探し求めた伊勢神宮の最大功労者。このことから倭姫宮は大きな仕事を成し遂げようと人、長年の努力を実らせようとしている人、また、人のため、世のために力を注いでいる人にご利益があると言われています。

一発逆転、起死回生を願っての参拝ではなく、七転び八起き、地道な努力を重ねてきた人にこそ参拝していただきたい神社かもしれません。

とはいえ、我が身を振り返れど、とてもとても、そんなに胸を張って言えることなんてありません……。

そこはそれ、倭姫宮は内宮の別宮です。内宮と同じく、そのご神徳は広大無辺です。

大きな仕事に立ち向かえる、長年の努力を物ともしない、人のため、世のために働けるお力をお分けいただきに参拝しましょう!

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