安芸の宮島といえば厳島神社。国宝、世界遺産、神の島です。
宮島には厳島神社しかないと思っている人が多いのではないでしょうか。
ところがどっこい。お寺さんもあるのです。
しかも名刹とも言える格式高いお寺です。
大聖院(だいしょういん)。
近年では、外国人観光客も多く訪れ、トリップアドバイザーの「外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2020」では、全国のそうそうたる有名観光地数ある中で第16位に選ばれています。スゴイ!
パワースポットとしても知られ、厳島神社をしのぐほどとも言われているようですよ!
歴代皇室と深くかかわり時の権力者も参拝
大聖院は大同元年(801年)開山です。弘法大師空海が三鬼大権現を勧請して創建したと伝えられています。
宮島(厳島)の最高峰である弥山山頂付近に建つ、霊火堂、三鬼堂、求聞持堂なども古より管理してきました。
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本堂は鳥羽天皇の勅願道場として建立されたことなどにより、歴代皇室とのかかわりも深い、特別感たっぷりの寺院なのです。
かつては豊臣秀吉や毛利、伊藤博文など、時の権力者たちの信仰も厚かった名刹です。
明治天皇が宮島を訪れた際には、行在所(天皇が宿泊される場所)となった寺院でもあります。
さらに近年ではチベット仏教のトップ、ダライ・ラマも訪れたほどなので、その名声は日本の仏教界にとどまらないのです。
言ってみれば、とても格式の高いお寺です。行かなきゃ損です。
しかも、こんなにスゴイお寺なのに、京都や奈良、鎌倉とは違いますよ、拝観料は無料です!
場所は、厳島神社の拝観コースを出たところからほんの徒歩5分ほどです。
多くの人が焼き牡蠣やもみじ饅頭、アナゴ飯などの誘惑に勝てず、厳島神社を出るとすぐに商店街へと向かいます。
また子ども連れや若いカップルは宮島水族館へ。
それもいいでしょう! しかし、大聖院もぜひ行ってみてください!
見どころ満載なパラダイス
以下、私が歩いたコースをご紹介します。帰りのフェリーの時間を気にしながらだったので撮りこぼしはたくさんありますが、それでも見どころ満載、まさにお寺のパラダイス、曼荼羅のようなお寺です。
いちいち写真を撮っていたら進めないので主だったところの一部の写真です。
仁王門
ここからが境内となります。神社の鳥居と同じです。一礼してくぐりましょう。
左右の立派な仁王様が参拝客を見下ろしています。
大般若経筒
筒状の車を手で回しながら階段を上がっていきます。
チベット仏教のマニ車と同じです。回せばお経を唱えたことになるというもの。
大般若経筒とは、三蔵法師がインドから持ち帰った経典で、そのご利益は無量の福が得られるというから、つい力任せに余計に回してしまいがちですが、おしとやかに回しましょう。
上りだけでなく、下るときも回せます。その数600です!
勅願堂
階段を上り切り、御成門をくぐって真っすぐに向かうと勅願堂があります。
ここには豊臣秀吉の御身仏と言われる波切不動明王が安置されています。朝鮮出兵の際の航海安全を願ったため、「波切」の名前で呼ばれるようになりました。波切不動明王の周囲には千体もの不動様がずらりと並びます。
千体不動。千体もの不動様です。ただただ、すごみを感じます。
観音堂
観音堂。観音堂もパラダイスです。いろいろなありがたいものがたくさんあります。
ダライ・ラマ14世が訪れたことを記念する一角。
チベット仏教様式の観音様と砂曼荼羅。より一層のカオス感を醸し出しています。
おびんずる様。羅漢の筆頭弟子で神通力に優れているそうです。
「体の弱っているところと同じところをさすると治る」ということなので、私は頭と肝臓のあたりを念入りにさすりました。
地下戒壇めぐり。階段を下りた先は本当の暗闇です。何も見えません。手探りで進んでいきます。
正直に言いますと、最初に1人で行ったときには私には奥まで入ることができませんでした。数歩進んだところで戻りました。
2回目に訪れたとき、小学生の息子と手をつなぐことによって行くことができました。笑 怖がらせる装置があるわけではなく、ただ漆黒の闇が続くだけなのですが怖すぎます。
ところどころにLEDライトで浮かび上がる仏画が目印になりますが、仏画の前でも手のひらさえ見えないほどのかすかな光です。
お堂の左手から入り、壁伝いに曲がりくねった暗闇を進み、お堂の右側から出ます。総距離は30mはあろうかと思います。壁に手を当てながらすり足で進むのでかなり時間がかかります。
「これまでの自分自身を省みて、重ねた罪障を取り除くための修行の場」であり、「南無大慈大悲観世音菩薩」と一心に唱えながら進みます。
しかしながら、暗闇や閉所が苦手な人には全くもってムリなところです。
目出し達磨。「目出し」→「芽出し」ということから開運招福、心願成就につながります。遠慮なくしっかりとさすってたくさんの福を授かりましょう!
大師堂
弘法大師(空海)や願いごとを1つだけ叶えるという一願大師を祭ります。
一願大師。大師堂の左奥にあります。1つだけ願いをかなえるというありがたいお大師様。とてもご利益があるそうです。欲張ってはだめです。1つです。
遍照窟
大師堂の地下にあります。四国八十八カ所のお寺の砂がプレートに入れられ、中を一周すると四国八十八カ所めぐりをしたのと同じご利益があるというもの。なので、回らなきゃ損です。
かなり独特の雰囲気があります。
摩尼殿
摩尼殿へと続く階段にも摩尼車があります。こちらは仁王門付近にあるものに比べるととても大きく、回しごたえがあります。
弥山の三鬼大権現を祭る本坊御祈祷所です。大変荘厳な建物です。
建物を飾る彫刻群が圧巻です。
五百羅漢
平成18年の開創1200年祭で奉納された五百羅漢。石段横をぎっしりと埋め尽くすさまは圧巻。一体一体が毛糸で編まれた帽子をかぶっている。
このほかにも至るところに仏像が安置され、何百、何千という数えきれないほどのお地蔵様が境内にいらっしゃいます。
たくさんのお地蔵様に見つめられていると、身が引き締まる思いがします(するはずです)。
からす天狗様もにらみを利かせています。
なぜここまでのたくさんの数が!と思わざるを得ません。
釈迦涅槃堂では、横になられた涅槃のお姿でお迎えしてくれます。
ひと通り境内を歩き終わったころには、お釈迦様と同じポーズをとりたくなるほど疲れているはずです。
大聖院まとめ
大聖院は見どころたくさん、カオス、神秘、摩訶不思議、まさにパラダイスです。
じっくり見て回るととんでもなく時間がかかります。
宮島って厳島神社を参拝して日帰りする人が多いと思いますがもったいない!
大聖院もぜひ訪れてみてください!