神田神社。通称、神田明神です。神田明神のほうが一般的に使われています。
神田神社といえば、東京を代表する神社、知名度トップクラスの有名神社と言っていいでしょう。
東京十社の一つです。
東京都心の神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内の氏神様です。江戸時代から江戸のまちの総鎮守とされています。
御祭神は大己貴命(オオナムチノミコト)、少彦名命(スクナヒコナノミコト)、そして平将門です。
御神徳は、家庭円満、夫婦和合、縁結び、商売繁盛、事業繁栄、除災厄除、病気平癒、開運招福など。思いつく限りの言葉が並び、さらに最後に「など」とついているので、ありとあらゆる御利益が期待できますよ。
(写真はすべて令和2年2月撮影)
1300年の歴史がある江戸東京の総鎮守
創建は天平2年(730年)。奈良時代です!
当初は、現在の大手町の平将門の首塚近くに鎮座していましたが、慶長8年(1603年)、徳川幕府が開かれ、江戸城拡張となったときに、鬼門の方向である現在の地に遷座となりました。
これは追いやられたのではなく、御社殿は幕府により造営され、江戸総鎮守としての地位を認められるものでした。
関ヶ原の合戦に向かう際、徳川家康が戦勝の祈祷を行い、その後、合戦に勝利。その勝った日が神田祭の日だったということで、縁起のよい神社として崇敬を受けることになったのです。
江戸城の鬼門の方角への遷座も大きな意味があります。もちろん家康の意思によるものだけではなく、ブレーンであった南光坊天海による強力な江戸の結界づくりによるものです。
世界の奇跡といってもいい江戸幕府260年の安泰を支えた神社なのです。
御祭神は出雲の神様と平将門
神田明神の一の宮は大己貴命(オオナムチノミコト)です。出雲大社の大国主命(オオクニヌシノミコト)と言ったほうがわかりやすいですね。大黒様として親しまれ、そのほかにも大穴牟遅神、大国魂神など幾つもの別名がある神さまです。
境内には、高さ6,6メートル、石造りとしては日本一の大きさを誇る大黒様の像があり、参拝の行列ができています。
二の宮は少彦名命です。別名、えびす様です。
明治7年(1874年)に茨城県の大洗磯前神社より勧進されました。大己貴命とタッグを組んで日本の国造りをなされた神様です。そのお姿はとても小さく御伽草子の一寸法師のモデルとも言われています。神田明神ではえびす様と習合し親しまれています。
少彦名命の像もちょっと分かりにくい場所ですが設置されています。えびす様というよりも一寸法師そのもののユニークなお姿が再現されています。
そして、三の宮は平将門です。
延慶2年(1309年)から御祭神として祭られています。平将門の乱が起こったのが天慶2年(939年)。京都の都大路でさらし首となっていた将門の首が現在の大手町にある首塚まで飛んできた日から360年ほどの年月がたっています。
平将門の首塚についての詳しい記事はこちら
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平将門は朝廷にそむき、兵を起こし、さらに新皇まで名乗っていた、いわば朝敵です。しかし、東国、関東の地においては、悪政に苦しむ庶民を自らの命をなげうって救った英雄とされています。
武家政権が続く世の中ではあつく信仰されていましたが、明治維新を迎え、江戸城に明治天皇がお移りになった6年後の明治7年、平将門命は摂社・将門神社に遷座。いわば格下げです。再び神田明神三の宮御祭神と戻られるのは何と昭和59年。110年後の出来事でした。
三の宮ですが、神田明神の本質といってもいい御祭神です。
御社殿と7つの末社
中山道に面した鳥居をくぐり、100mほどの参道を進むと色鮮やかな随神門があります。
随神門
随神門は、昭和50年に昭和天皇御即位50年を記念して再建されたもの。総檜造りで、屋根は銅板瓦棒でふかれた豪壮な造りです。
四神と呼ばれる朱雀・白虎・青龍・玄武が配され、大黒様にゆかりのある「因幡の白兎」、平将門に由来ある「繋馬」の彫刻が飾られています。
一見の価値あり。素通りせずじっくり見てみましょう!
御本殿・拝殿
正面の圧倒的な存在感のある御社殿は昭和9年の建築。当時としては画期的な鉄骨鉄筋コンクリート造りです。そして、総漆朱塗りです。ペンキじゃありませんよ。
前の代の御社殿は江戸時代の建築でしたが、関東大震災により焼失してしまいました。惜しいことです。
現在の建物は国登録有形文化財に指定されています。
本殿、幣殿、拝殿、宝庫が重なる豪壮な造りです。
ご本殿の右奥にはスカイツリーも見えます。
末社
御社殿の周りには7つの末社もあります。
水神社(魚河岸水神社)
三天王三の宮 小舟町八雲神社
三天王二の宮 大伝馬町八雲神社
三天王一の宮 江戸神社
浦安稲荷神社
金刀比羅神社・三宿稲荷神社
末廣稲荷神社
にぎやかな見どころも盛りだくさん
神田明神には「へぇー」と言ってしまう見どころもたくさんあります。
獅子山
千代田区指定有形民俗文化財。
銭形平次の碑
銭形平次。若い子は知らないだろうな……。
力石
昔の若者たちの力試しに使われた。昔の人、すご過ぎます。
国学発祥の碑
荷田春満が初めて国学の教場を開いたのが神田明神内。荷田春満、教科書に出ていた人だ!
「ラブライブ!」の聖地
TVアニメ「ラブライブ!」の舞台になったということで、アニメファンも多く訪れます。
神田神社まとめ
首都東京を代表する超メジャー級の神田神社。
江戸時代から都市型の神社として親しまれてきました。
東京都在住であれば一度は参拝したい神社です。
(新型コロナウイルス感染予防に十分注意したうえで神田神社、自治体(千代田区)からの情報にも留意しましょう)