広島を代表するB級グルメと言えばお好み焼き!
ですよね~。
この点、広島人も異論はありません。
広島県内のお好み焼き屋は約1700店。広島市内だけで1000店以上あります。
そんなにあるの!? 広島人もびっくりです。
繁華街だけでなく、住宅街や郊外、田舎道にフツーに点在しています。
そんな広島人のソウルフードお好み焼き。全国的には「広島風」とか「広島流」とか「広島の」という言葉が前につきます。「広島風」と言うと広島人は怒るなんていう人もいますがデマです。
そんなに広島人は心は狭くありません!(カープのことを悪く言わなければ大丈夫!)
「お好み焼き」というと関西風を思い浮かべますもんね。致し方ないところです。
広島では一般的に「お好み」と言います。
具材を混ぜて焼くだけの関西風より手がかかるため、基本はお店で焼いてもらってお店で食べるです。持ち帰りも多くの店でできますよ。
しかし! 家庭でも作れます!
ちょっと難易度は高めですが、きれいにできなくったって家族で作ればおいしくできる!
「広島風」お好み焼きの作り方をご紹介します!
お好みは「キャベツ料理」である
お好み焼きと焼きそば。実は材料はほぼ一緒なんです。
なのに、似て非なるもの。味わいは全く違います。
この違いは調理法から来ます。
焼きそばはご存じのように材料を混ぜながら焼きます。
しかし、お好み焼きは混ぜることなく、たっぷりのキャベツを中心とした材料を重ねてじっくりと蒸し焼きにするのです。
蒸し焼きにすることによってキャベツの甘さと旨さを最大限引き出すのがコツのコツの料理なのです。
広島のお好み焼きは「粉もん」に分類されているようですが、実は「キャベツ料理」なのです!
なので、お好み焼き屋さんは、キャベツの品質にとても気を使います。
新キャベツと冬の硬いキャベツでは包丁の入れ方、焼きの時間も変わってきます。
キャベツの質がお好み焼きの味を大きく左右するのです。
そして、忘れちゃいけないお好み焼きソース。一番のおすすめは都内のスーパーやコンビニでも簡単に手に入るオタフクソース。ほかにもカープソース、大福ソースなどがありますが入手困難。オタフクで間違いなしです。
実践!お好み焼き
能書きが長くなりました。
実践に入ります。写真はお店で作っているところを撮らせていただきました。ご家庭の場合はホットプレートになります。ホットプレートは長方形のなるべく大型がベターです。丸形や正方形だと、お好み焼きをひっくり返したり、焼く場所の確保が難しいです。(我が家はしばらく丸形を使っていましたが)
1.薄力粉を水で溶いたものを鉄板の上にクレープ上に広げる。お玉の底を使うとうまくいきます。生地は穴があかない程度に、なるべく薄く。生地の上に、かつお節粉またはイワシ粉などをふりかけます。ホットプレートの温度は160~180度。「中」あたりです。
2.キャベツの千切りを生地の上に山になるように載せる。キャベツは5~10mm幅、6分の1~4分の1玉を使う。最初は少なめからのほうがやりやすいですよ。その上にモヤシを載せる。モヤシはブラックペッパー一択。手のひらに軽く乗るくらいが適量。玉ネギのスライスを入れるレシピもたまに見かけますが、一般的には入れません!
3.キャベツの上に鰹節粉、粉コショウ、あげ玉、もやしを載せ、薄切りの豚バラ3、4枚、キャベツの上に広げて載せる。
さらに、豚肉の上から薄力粉を水で溶いたもの(生地と同じもの)をお玉の3分の1程度回しかける。肉が焦げないようにするのと、つなぎの役目をさせるためなのでキャベツまで浸透するように豚肉のすき間にもかける。
4.2つのヘラを使って全体をひっくり返す。ここは最高に難しいところですよ。絶対に最初はうまくいきません。ホットプレートの外までキャベツなどの具材が飛び出すことでしょう。動ずることなく拾い集めて元に戻しましょう。生地がフタのようにキャベツの上に載っかっていることが大事です。ここでホットプレートの温度は200度以上の「高」にします。
5.5、6分ほどそのまま蒸らします。少しキャベツがしんなりとしたらヘラで生地の上から軽く押さえながら丸く形を整え、さらに蒸らします。この工程は10分から15分かけます。
6.5の工程を進めている間にそばを炒めます。ここでは蒸し中華麺を使います。中華麺は、袋に入ったままの状態でほぐしておきます。ホットプレートのあいたスペースに袋から出し、さらにほぐしながら炒めます。軽く焦げ目が付き出したら、お好み焼きソースを小さじ1杯程度(好みで)かけて炒め、お好み焼きと同じくらいの円形に形を整えておきます。
7.お好み焼きが十分に蒸せたら、2つのヘラを使ってそばの上に載せて形を整えます。
8.卵を鉄板の上に割り、ヘラを使ってお好み焼きと同じ大きさにクレープ状に広げ、すかさずお好み焼きを載せ、もう一度ヘラを使ってひっくり返します。ここでホットプレートの温度は「低」「保温」にして大丈夫です。
9.お好み焼きの上面にお好み焼きソースを塗り、青のりをふりかけて完成です! お好みでかつお節粉やガーリックパウダーをかけます。
どうですか? 面倒くさそうでしょう!笑
お好み焼きの食べ方
広島では鉄板の上に載せたまま、小さめのヘラで食べやすい大きさに切り分けながら、ヘラで食べます。不思議と箸で食べるよりおいしく感じます。
ただ、家庭で食べるときはヘラで切り分けて、お皿にとって食べることになりますが、もちろんおいしいですよ!
ネギを小口切りにしたものをたっぷりかけるのもおすすめです。
このネギは広島ネギがベストです。広島ネギは、万能ネギと九条ネギの中間、いいとこ取りといった感じです。青い葉の部分の香りがよく、白い部分には甘みもあります。
広島ネギといえば通常は観音ネギという、広島市内の観音地区で栽培されるネギのことを指しますが、観音ネギはなかなか手に入りません。倉橋島や江田島などの島しょ部で栽培されるネギも広島ネギとしてよく出回っています。
白ネギや下仁田ネギなど、白い部分の多い太いネギではやったことはありませんが合わないと思います……。家庭でネギを使う場合には、スーパーでよく見かける「万能ネギ」でもおいしくいただけますよ。
お好み焼きまとめ
関西風やもんじゃ焼きに比べると、家庭で作るのにはちょっとハードル高めのお好み焼きです。
でもでも、一度味わったことのある方なら試してみる価値あり!
そばを入れないお好み焼きもおすすめです。広島のお好み焼きはご飯と一緒に食べることはありません。しかしそば抜きのお好み焼きはご飯のおかずにぴったり! もちろんビールにも合う! 焼酎にも合う!
調理用のヘラはホットプレートを傷つけないようにテフロン加工のもの、木べら、竹べらを使いましょう。