目黒寄生虫館です。
何度かテレビで見かけたことがあり、行ってみたいと思っていましたが、ずっと行けずじまい。よりによってこのコロナ禍で行こうと思い立ち、緊急事態宣言下ではない日に行ってみました。
世界唯一の寄生虫専門の博物館です。
しかし、寄生虫の博物館としてだけではなく、人間の寄生虫との闘いの歴史の集大成でもあります。
怖いもの見たさでも、話のネタにでも、何のためでもおすすめです。
注意が必要なのはウイルスだけではなく、寄生虫にも注意が必要と思うようになります!
何と入館料は無料です。(寄付金箱があります)
(寄生虫を見ると卒倒しそうになる方はこの先を見るのはおすすめしません)
デートにも自由研究にもおすすめ!?
現在、人類は新型コロナウイルスと闘っています。過去にはSARSやMARS、AIDS、エボラウイルスなど、さまざまなウイルスと闘ってきて、今なお闘いが継続もしています。
ウイルスは有史以前から当然存在しているわけですが、顕微鏡でも見えないウイルスは見えざる敵でした。
ウイルスの存在が知られる以前は寄生虫が見える敵でした。
人類が闘い、克服してきた寄生虫たち、そして今も注意が必要な寄生虫が標本となり、パネルとなり展示されています。
簡単に言うと、ウジャウジャ、ゾロゾロ、グチュグチュです。体は自然とモゾモゾ、ゾワゾワします。
虫を見かけると叫んでしまう人や集合体恐怖症の人には一切お勧めできません。
とはいえ、怖いものみたさからなのか、デートスポットとしても人気のようですよ。
しかし、ここはやはり小学生、中学生のお子さんと来るのがおすすめです。日常生活で寄生虫のことを気にして生活するなんてことはないですからね。
夏休みの自由研究には最適ですよ。
個人的に気になる寄生虫ベスト3
第3位 エキノコックス
エキノコックス。あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、山登りをする人ならご存じかもしれません。
主に北海道の山岳部や原野に生息する寄生虫です。キタキツネや野犬などの野生動物を媒介し、排泄物を経て、人間の体内に入ると、血管を通じて肝臓や肺に至り、ウジャウジャになるまで巣食い、最終的には肝硬変などの疾患にまで至り、命を落とすこともあるというものです。
何よりも怖いのはその潜伏期間です。潜伏期間は10年と言われています。時限爆弾のようなものです。
若かりしころ、2度ほど北海道の大雪山系を縦走したことがあります。
ところどころ、水場と呼ばれる飲水を補給できる場所があるのですが、生水をそのまま飲むのは厳禁とされていました。
キタキツネの糞が雨で流され、地面をつたい、沢に流れ込みます。その水にエキノコックスの卵が含まれている場合があるのです。
しっかりと煮沸してからでないとエキノコックスの卵は死滅しないのです。
とはいえ、毎日同行者の分も含めて何リットルもの水を沸かすのは大変です。たびたび生水を口にしていました。
結果的にはエキノコックス症にはかかりませんでしたが、潜伏期間と言われる10年間、たまに思い出しては、あの水にエキノコックスの卵は入ってなかっただろうかと頭をよぎり一抹の不安を感じたものです。
野生のキタキツネがいる山では生水を飲まないようにしましょう!
第2位 ぎょう虫
ぎょう虫。だれもが知っていますよね。
そう。ぎょう虫検査のぎょう虫です。
日本人が小学校に入学し、初めて屈辱感を味わうぎょう虫検査。
いくら母親とはいえ、パンツを脱いで、尻を突き出し、肛門をさらけ出すなんて恥ずかしすぎました。
いくら子どもとはいえ、物心ついた一人の人間に対して余りにもひどい仕打ちです。
そんなぎょう虫検査。平成27年を最後に廃止されたのをご存じですか?
文部科学省の「学校保健安全法施行規則」が改正され、学校での健康診断の項目から外されたためです。
ちなみに、ぎょう虫検査と一緒になくなったのは「座高測定」でした。
私は座高だけはだれにも負けず、ぶっちぎりで一番でした。あまりうれしい特徴ではありませんでしたが、なくなると少し淋しさを感じます。
さて、ぎょう虫検査に使うあの青いセロファンのシート。ピンテープというんだそうです。
昭和30年代には半数近くもの全人口の半数近くが罹患していたという国民病とも言えるものでしたが、平成25年には幼稚園・小学生の検査で確認されるのはわずか0.14%。ピンテープはお役御免となったわけです。
これからの小学生にはぎょう虫検査によるはずかしめを受けることなく、すくすくと育ってほしいものです。
第1位 アニサキス
アニサキス。釣り好きの私にとっては最も身近にいるはずの寄生虫で、恐れる寄生虫です。
サバやアジなどの青魚やスルメイカやヤリイカなどのイカ類、サケに寄生します。
アニサキスを生きたままの状態で食べてしまうと、胃壁や腸壁に入り込み、アニサキス症を発症して、胃のあるみぞおち部分、おなかのあたりが激しい痛みに襲われるというものです。
アニサキス症になってしまったことがある人の話を聞いたことがあります。七転八倒、のたうち回り、脂汗をかいてもがき苦しんだそうです。60歳ほどの方でしたが、人生で一番苦しかったと。
アニサキスは冷凍したり、酢じめにしたり、塩漬けにしたくらいでは簡単には死にません。
一番いいのは焼いたり煮たり、しっかり加熱すること。死んだアニサキスを食べてもアニサキス症にはならず、体に害もありません。
もう一つ効果的なのはよくよく噛んで食べること。切ったりかみ潰されたアニサキスは死んでしまいます。イカそうめんは細く細く切ることによってアニサキス対策にもなっているんです。
青魚やスルメイカなどを生で食べるとき、小さな白い粒や、クルンと渦巻き状になったものを見つけたら取り除いて食べましょう。
といっても私はまだ1回もアニサキスを見たことがないのですが…。
目黒寄生虫館まとめ
目黒寄生虫館。とにかく寄生虫尽くしの博物館です。
肝吸虫、日本住血吸虫、中国槍型吸虫、ウェステルマン肺吸虫、回旋糸状虫、ニベリン条虫、マンソン裂頭条虫……。どんな寄生虫かは知らなくても名前だけで皮膚がゾワゾワしてきます。
展示されている標本はホルマリン漬けされたものが多くあります。
本来の色は抜けて、白くて長細いもの、粒状のものがあります。館を出てからの食事は慎重に選ぶ必要があります。基本的に麺類は厳しいかと思われます。
入館料無料となっていますが、募金箱がありますので、この志高き博物館が弥栄であることを願って、お帰りの際には募金しましょう!
↓ 寄生虫ではなく「寄生獣」。好きな漫画です。もう30年以上前の発売なんですね…。
目黒寄生虫館へのアクセス
場所は目黒区下目黒です。JR目黒駅からは徒歩12分ほど。目黒区で最古の神社、目黒大鳥神社から目黒通り沿いに歩いて2分ほどのところにあります。
立派なタイル張りの建物の1階と2階です。